中欧暮らしの、わたし時間

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海外の失業保険事情

前回のつづきです。

日本人としてオーストリアで学業の滞在許可が下りているという条件でのお話をします。結婚やその他の滞在許可でオーストリアに住んでいる方とは失業保険などの扱いは多少異なってくることがあるのでご注意ください。

まずは社会保険の中身を確認!

まず、失業した後の失業保険について。失業保険は (Arbeitslosengeld) といいます。

オーストリアの企業で、ざっくり月470ユーロ以上働く場合、会社を通して社会保険 (Sozialversicherung) に入ります。この社会保険、オーストリアでは職業によって違う保険会社に支払いをします。

私の場合は、Österreich Gesundheitskasse (旧 Gebietskrankenkasse) の社会保険を支払っていました。ここの社会保険は基本、健康保険、労働保険、失業保険、年金の4つで構成されており、月々まとめて給料から差し引かれます。

とくに社会保険のなかに失業保険が含まれていることが重要で、もし個人で保険に入る場合、この失業保険の部分が欠けていることがおおくあります。

会社側から説明される機会はあまりないので、今一度、自分が何の保険を利用して、どんな内容なのか確認してみてください。

 

失業保険受給の条件

失業保険受給のために必要な条件はArbeitsmarktservice (AMS) のサイトに次のように書かれています。

  • "過去2年間のうち52週分"失業保険が支払われており ( 25歳以下は過去1年 26週分 )
  • Arbeitmarkservice(AMS) に失業中ということを申請している
  • 週20時間以上すぐに働ける状態であること

 

52週分ということは1年間分、ということ。つまり、オーストリアにきて最低1年間働き、保険を支払っていないと失業保険の受給資格は満たせません。今回のような不測のパンデミックで失業し、移住してから日が経ってなかったことで、このような保障が利用できなかった人もいたと思います。

自分がこの条件を満たしているかどうか分からない場合は、Arbeitsmarktservice (AMS) に問い合わせれば担当者に照会してもらえます。

 

失業保険受給の申請をすると、私の場合、受給期間は6ヶ月間で、そのあいだAMSから求人に関する連絡や面談などが設けられました。オーストリアではこのような事務的な手続きをする際には、人によって言っていることが違ったり、丁寧ではない対応をされることが多々ありますが、ことAMSに関しては私は個人的に悪い思いをしたことがありません。最近は電話対応が増えましたが、誰と話してもリスペクトをもって対応されていると感じます。

 

とはいっても、現在コロナの影響で失業者の多くが6ヶ月後も未だに仕事が見つからない状態はよくみられます。このように失業保険期間が終わった後、それでも仕事に就けない場合、緊急事態支援 (Notstandshilfe) というものに切り替わります。失業保険のように毎月銀行口座に振り込まれますが、失業保険よりも少ない金額になっていくがその違いですね。

 

この失業中の間、ときどきAMSから求職者のための講座への参加を提案されます。